大人、子どもを問わず、愛されるホットミルクですが、作る上である難点があります。
その難点というのが、牛乳を温めるとできてしまう膜です。
「あの膜はいったいなんなの?」と思う人も多いですが、そもそもあの膜ができる理由はなんなのでしょうか?
今回は、牛乳を温めるとできてしまう膜の名前やできてしまう理由を紹介します。
牛乳を温めるとできる膜の名前とは?
牛乳を温めたとき、なぜか膜ができてしまいますよね。誰もが1度は「これはなんなの?」と思った事はあると思います。
ですがあの膜にはきちんと名前もあって、膜ができてしまう理由ももちろんあるんです。まずは、牛乳を温めるとできる膜の名前やできてしまう理由について紹介します。
牛にを温めてできる「膜」はミルクガセインという名前
牛乳を温めたときにできてしまう膜ですが、あの膜にもきちんと名前があります。
ミルクガセインといわれるもので、主にガセインという成分と牛乳が混ざる事でできてしまうんです。
ガセインというのは、リンタンパク質の一種で、牛乳やチーズなどに含まれています。高たんぱく質の塊ですが、他にも脂質、乳糖、ミネラルを含んでいるので、非常に栄養価が高いです。
牛乳に膜ができる現象とは?
このミルクガセインができる現象についても、きちんと名前が存在します。
通称・ラムスデン現象といわれていて、別名ではピカリングエマルジョンとも呼ばれています。この現象の名前となったラムスデンは、牛乳を温めたときにできる膜についてかなり考えたそうです。
ラムスデンは牛乳を温めている中、温めていた牛乳の温度が40℃を越えるとき、この膜の存在に気づきます。そこから色々と実験を繰り返し、この膜ができる理由を探していったのです。
なぜミルクガセインができるのかについては、また後ほど紹介します。
ミルクカゼインの摂取のしすぎは注意
ミルクガセインは、牛乳やチーズなどに多く含まれる高タンパク質の一種です。
その他にも膜自体には、脂肪、乳糖、ミネラルも含んでいるので、栄養価はかなり高いともいえます。ですが、たんぱく質を摂りすぎると悪性腫瘍の発症率が高くなります。
他にも、脂肪や乳糖も多く含まれているので、とても高カロリーなんです。そのため、中性脂肪が溜りやすくなったり、糖尿病のきっかけなども作ってしまいます。
ただ、これは1日に大量のホットミルクを長期的に飲んだ場合の事で、少しであれば問題はありません。
なぜ牛乳を温めると膜ができるの?
ミルクガゼインを含んだ膜は、牛乳を温めると必ずできてしまう膜です。しかしなぜ、牛乳を温めてしまうと、あの膜ができてしまうのでしょうか?
それは牛乳に含まれる成分と、牛乳を温める温度が深く関係しているといわれています。続いて、なぜ牛乳を温めると膜ができてしまうのかについて紹介します。
牛乳に含まれるたんぱく質が原因
先程から紹介していますが、あの膜はミルクガセインといって、たんぱく質の塊です。つまり、牛乳に含まれるたんぱく質が膜になったのがミルクガセインとなるのです。
そもそもミルクガセインができるのは、水蒸気が発せられるのと大きな関係があります。
牛乳を温めたときに水蒸気が発生した事で、牛乳に含まれるたんぱく質が固まろうとします。そのときに牛乳に含まれる脂肪分を吸収する事で、薄い膜になってしまうわけです。
温度が関係している
このミルクガセインができる現象を発見したラムスデンは、ある事に注目したそうです。
そのある事というのが、温度です。
ラムスデン現象を発見したとき、ラムスデンは牛乳は40℃ほど温めると膜ができるという事を発見しています。
そのため40℃を越えると膜がうっすらとできて、60℃できちんとした膜になるという結論を出しています。実際、このミルクガセインができるのは、60℃以上だというのは多くの人が実証済みです。
なので、温度もあの膜ができるのに深く関わってくる理由の1つといえます。
膜の成分とは?
ミルクガセインという膜は、主に牛乳に含まれるたんぱく質が原因でできてしまいます。
ただあの膜は、一体どんな成分でできてるのか気になりませんか?
中にはあの膜を嫌う人も多いですが、実はあの膜には色んな栄養素が含まれているんです。では、ミルクガセインが一体なにでできているかについても紹介します。
たんぱく質からできたカルシウムの塊
ミルクガセインは、たんぱく質を多く含んでいますが、実はカルシウムの塊でもあるんです。
そもそもあの膜は、温める事で牛乳に含まれている成分が浮き彫りになっているといっても過言ではありません。そのため、たんぱく質や脂肪、乳糖、ミネラルの他にもカルシウムも多く含んでいるんです。
ちなみにミルクガセインは、耐熱性に優れた性質を持っていて、加熱しても成分が損なわれる事はありません。
あの膜には色んな効果が含まれている
ミルクガセインには、色んな効果が含まれています。
あの膜には牛乳に含まれた栄養素がほとんど詰め込まれているので、牛乳で摂取できるものはほぼ摂取できます。そこで得られる効果の1つに、疲労回復の効果があります。
これはカルシウムで得られる効果の1つですが、得られるのは疲労回復の効果だけではありません。他にも免疫力のアップや、腸内環境の促進といった効果も得られます。
牛乳に膜ができるのがイヤ!膜ができない2つの方法とは?
ミルクガセインは非常に栄養価が高いのは、よく分かったと思います。
ですが、いくら栄養価が高いといっても、あの膜を進んで飲みたいと思える人はそう多くはいません。それにあの膜を取るのも、手間がかかって嫌ですよね。
では、どうしたらあの膜ができないのか、最後に温めた牛乳に膜ができない方法を紹介します。
①2回に分けて温める
牛乳を温めて膜ができない方法1つめは、2回に分けて温める事です。これは、電子レンジで牛乳を温めるときに使える方法です。
電子レンジのワット数にもよりますが、大体ホットミルクを作るときは数分は温めると思います。ですが、60℃を越えても放置していると、膜ができてしまいます。
なので、2回に分けて温めておくと、膜は張りにくくなります。
②かき混ぜながら温める
牛乳を温めて膜ができない方法2つめは、かき混ぜながら温める事です。
これは、鍋で牛乳を温めるときに使える方法です。膜ができてしまうのは温度も関係ありますが、1番の原因は放置して置いたままだからです。
そもそも膜ができる温度でも、かきませてしまえば問題はありません。そういった面では電子レンジで温めるより、鍋などで温めた方が膜はできにくいです。
まとめ
今回は、牛乳を温めるとできてしまう膜の名前やできてしまう理由を紹介しましたが、参考になったでしょうか?
あの膜を嫌う人は多いですが、意外ト知られていない得な栄養素は多く含まれています。ですが、やはり栄養があるからといって飲める人も少ないですし、捨てる人もいるでしょう。
なので、牛乳を温めるときも1度は鍋と電子レンジで比べてみるのも良いと思います。
もし牛乳を温めたときの膜をどうにかしたいと思った人は、ぜひとも今回紹介した内容を参考にしてみてくださいね。