帳簿などをつけるとき、レシートはどうしても欠かせないものですよね。
ですが、いざレシートを見てみたら文字が消えているだなんて事も少なくありません。大事なものだからこそとっておきたいですが、そもそもなぜ文字が消えるのでしょうか?
レシートの素材に原因があるのか、それとも保存方法に問題があるのか謎ばかりです。
なので今回は、なぜレシートの文字が消えるのか、消えないようにする方法について紹介します。
そもそもレシートの素材とは?
そもそも、レシートの素材は何でできているかよく分かりませんよね。
触った感じはツルツルしていますし、普通の紙とはまた違うのは分かると思います。ですがあのツルツルした素材の紙を、どんな素材かを言い当てる事はかなり難しいです。
何よりレシートの文字が消える理由は、あの紙やインクなどに原因がつまっています。
まずレシートの文字が消える理由より、レシートはどんな素材でできているかについて紹介します。
レシートは感熱紙という紙でできている
レシートは、感熱紙という素材でできています。
感熱紙とは、化学反応によって文字を印字しているもので、普通の紙とはまた違います。あのレシートのインクにも、何か特別な何かを含んでいるかと思いますがそうではありません。
レシートは、感熱紙といくつかの化学塗料の融合によって印刷されているので、あの紙だけが特殊なんです。ちなみに文字を印刷する際は、熱エネルギーを使っているので、熱や油分に弱いという弱点があります。
また摩擦で紙が傷つくと、新しく印字されたようになってしまうという難点もあります。
コストはかからないが非常に弱い素材
感熱紙はインクいらずで印字できるので、そのぶんコストカットができる使用になっています。
さらには熱エネルギーだけあれば印字が可能なので、手間なども特にいりません。ですが、そのぶん非常に弱い部分もあるので、扱いには注意が必要なんです。
先程少し紹介しましたが、感熱紙は熱や油分、摩擦に弱いです。そのため長らく保存するには、乾燥した状態かつ日の当たらないところなどを避けなければいけません。
他にもよくありますが、財布の中に長らくレシートを入れていたら文字が消えるというのも事実です。なのでコストはかからずとも、保存する側の私達からすると少し不便に思えてしまうのも仕方ありません。
レシートの文字が消えるのはなぜ?4つの理由
レシートの素材である感熱紙は、非常に繊細で弱い素材です。
そのためちょっとした事でも、印刷された文字が消えてしまう事も少なくありません。では、具体的には一体どのような事が原因で文字が消えるのでしょうか?
レシートの文字が消えてしまう主な原因を、4つご紹介します。
①用紙の劣化
レシートの文字が消える原因1つめは、用紙の劣化です。
感熱紙は普通の紙とは、違うもので出来ています。そのため普通の紙よりも、紙自体の劣化に弱いという特徴があるんです。
この用紙の劣化がなんなのかというと、そのとおり時間の経過による劣化です。そもそも熱の力で印字されているので、熱の力がなければ文字を維持する事はできません。
こういった時間の経過で、レシートの文字は消えるので、これをふせぐのはほぼ不可能といっていいでしょう。
②用紙の化学反応
レシートの文字が消える原因2つめは、用紙の化学反応です。
レシートの印字で使われているインクも、普通のインクとは違って少し特殊なものです。そのロイコ染料と顕色材は、他の物質と混ざると化学反応を起こしてしまいます。
典型的な例を挙げると、油やアルコールなどが主に化学反応を起こしやすいといわれています。なのでハンドクリームがついた手で触ったりしてしまうと、文字の部分は溶けて消えてしまうんです。
他にも、摩擦といった化学反応にも弱いので、プラスティックなどを擦り合わせてしまうと文字は消えてしまいます。
③熱で消えてしまう
レシートの文字が消える原因3つめは、熱です。
そもそもレシートは、熱エネルギーをつかって感熱紙に印刷しているので、一見熱に強そうに見えますよね。ですが実際は逆で、レシートの文字は熱に当ててしまうと簡単に消えるんです。
そのため、財布のような熱のこもったものにレシートを置き続けると、文字は消えやすくなります。しかもこの熱は、何も温度だけに限った話ではありません。
摩擦などによって発生する熱にも弱いので、新しいレシートでもこするだけで文字が消えるんです。
なので、財布の中というものはレシートにとってあまり良くない環境といっても過言ではありません。
④光にも注意
レシートの文字が消える原因4つめは、光です。
実はレシートは熱だけではなく、光にも弱いといわれています。そのため、陽の当たる場所などに保存しておくと、文字が消えてしまう事が多いそうです。
ちなみにインクが溶けたりして見えなくなるのではなく、全体が白くなるため文字が消えてしまいます。なので油分などとはまた別で、しっかりと別の場所に保存しておく必要があります。
財布などのような空気や熱、光が触れる場所ではなく、紙袋などで別に保存しておくのがベストです。
レシートの文字が消えないように保存する4つの方法
レシートの文字は、ちょっとした事で消えるという事はよく分かったと思います。
これだけ原因が多いと、解決策もそのぶん多くなってくるのもまた問題です。しかし、それら全部を対処するのも不可能なので、いくつかかい詰まんで対処するしかありません。
なので次は、どうすればレシートの文字が消えないように保存できるかについて紹介します。
①財布に入れっぱなしにしない
レシートの文字が消えないようにする方法1つめは、財布にいれっぱなしにしない事です。
実は財布の中は安全そうに思えますが、実際はそうではありません。財布は熱がこもりやすく、開けるたびに光が入ります。
こういった熱がこもり光が当たりやすい環境は、レシートの文字が消える状態をすぐに作ってしまいます。なので大事なレシートは、財布ではなく別に保存する必要があるんです。
もし財布にレシートを溜めてしまうくせがある場合は、レシートをもらったら財布に入れないようにしましょう。
②すぐに別の場所で保存
レシートの文字が消えないようにする方法2つめは、すぐに別の場所で保存する事です。
先程から紹介していますが、レシートは光や熱に弱いです。そのため財布の中での保存は危険ですので、別の場所に保存するのも効果的といわれています。
別の場所といっても、紙封筒にいれたり、ファイルリングするだけでかまいません。ですが、ファイルリングする際には、摩擦に気をつけなければいけないので注意が必要です。
またノートなどにレシートを貼るときも、のりの素材に注意が必要なんです。できるだけ水溶性の糊を使い、それ以外の素材を使ったのりは避けましょう。
③光や熱を避ける
レシートの文字が消えないようにする方法3つめは、光や熱を避ける事です。
財布はもちろんの事、陽が当たる場所にレシートを保存するのもいけません。例えファイルリングをしたとしても、そのファイルが陽の当たる範囲にあったら意味がありませんよね。
なので暗く、熱のこもらないような場所で保存しておく必要があります。簡単にいってしまえば、ファイルリングして棚などに入れてしまえば問題はありません。
ですが時間が経てば感熱紙が痛み、自然と文字が消えるので、時間の経過だけは割り切りましょう。
大事なレシートの場合は、別で領収書などでもらっておく必要があります。
④油のついた手で触らない
レシートの文字が消えないようにする方法4つめは、油のついた手で触らない事です。
油分を含んだものでレシートの上をなぞると、インクが溶けて文字が消えます。そのため油のついた手でレシートを触るのは、とても注意が必要になります。
ハンドクリームもそうですが、のりなどにも注意しなければなりません。のりなどは、なるべく水溶性のものを使い、それ以外は避けるようにしましょう。
消えたレシートの文字は復活できる?
レシートの文字が消えないように保存する方法は、思った以上にあって安心した人もいると思います。
ですが、これらを全部気をつけたからといって必ず文字が消えるのを防げるわけではありません。やはりレシートは繊細なので、ときには文字が消えたままだなんて事もあります。
では1度消えたレシートの文字は、また復活できるのでしょうか?
また他にも証拠資料にするなら、どういったものがいいのかについても紹介します。
消えたレシートの文字は復活できない
結論からいうと、消えたレシートの文字は復活できません。
時間経過もそうですが、油分などの成分との化学反応、光で紙が白くなってしまったときも元に戻らないんです。
一説によると、ブラックライトをあてると復活するともいいますが、実際は定かではありません。なので、どうしても文字が消えないように保存するには、やはり一工夫が必要です。
証拠資料にするなら紙の領収書を
レシートも証拠資料にはなりますが、今まで紹介した通り、証拠として残すには少し不便です。
時間が経てば劣化してしまいますし、きちんと保存していても文字が消える事を完全には防げません。なので証拠資料にするならば、紙の領収書などで保存する方が安全です。
家計簿などの一時的なものなら構いませんが、何か大事なものを買ったときなどは領収書にしてもらいましょう。
まとめ
今回はなぜレシートの文字が消えるのかについて紹介しましたが、参考になったでしょうか?
レシートというのはコストがかかりませんが、そのぶん取っておく側としてはデメリットが大きいです。あくまでもレシートは一時的な記録に必要なものですが、長く取っておくならその分工夫をしなければなりません。
もしレシートの事で悩んでいる場合は、ぜひとも今回紹介した内容を参考にしてみてくださいね。